2012/02/26

logoGuilloで検出パラメータ自動調整時に出力されるrawLmLvMap.csvについて

logoGuillo v2.05で検出パラメータの自動調整を行った際に出力されるファイル(rawLmLvMap.csv)についての説明です。
このCSV形式のファイルには、自動調整に使用した動画の各フレームの輝度及びロゴ検出値と自動調整の結果が記録されています。
自動調整結果の確認や、どうしても自動調整が上手くいかない場合に手動で修正する際に利用できます。

輝度-ロゴ検出値特性と検出パラメータの関係

Brightness - Logo detection level & Thresholds

rawLmLvMap.csvの各項目の意味

30000フレーム毎にサンプルを区切って出力されていますが、これはExcelで散布図を作成する際にデータ系列あたり最大32000サンプルまでしか扱えない為です。

[frame]

フレーム番号です。

[Lm]

ロゴ部分の輝度です。0-255が0.0-1.0に対応します。

[Lv]

ロゴ検出値です。高いほどロゴが表示されている可能性が高いです。

[Version]

ファイルを出力したlogoGuilloのバージョンです。

[prm1A]
[prm2B]

ロゴ検出閾値です。prm1Aが切片の符号反転、prm2Bが傾きの符号反転です。

[prm3A]

高輝度閾値です。これより輝度が高いフレームはロゴの有無が判別できない為、高輝度フレームとして特別に処理されます。
ロゴが常時見える場合は1.0以上の値が設定されます。実際の自動CMカット処理では、この値より若干小さい値が使用されます。

自動調整結果の確認(ロゴ検出値の輝度特性と自動調整結果の例)

輝度-ロゴ検出値特性を見ることで、CM自動カットの結果がどの程度信頼できるかの判断材料になります。基本的には人間が見て判別しやすいロゴほどS/Nが高くなります。理論上は閾値の上下に平行線状にサンプルの固まりが見える筈ですが、実際には輝度やブロックノイズ、表示内容等の影響を受けて検出値が変動します。
また、各局のロゴ判別精度を比較するには同じソースが必要ですが、以下の結果は異なる番組による記事作成時点での検証結果ですので参考程度にして下さい。

テレビ東京(JOTX)


ロゴが見やすいので輝度に因らず大分マージンがあります。誤動作する可能性は低いです。

TOKYO MX(JOMX)


輝度が上がると感度が落ちていきますが、ロゴの有無は判別可能です。

テレビ朝日(JOEX)


白に近い高輝度でロゴが見えなくなりますが、大抵のシーンでは十分なマージンがあります。
*ロゴ検出モードBを使用

BS11


ロゴの面積が大きく検出値は安定していますが輝度が上がるにつれ感度が落ちていき、白色のシーンではロゴが見えなくなります。

フジテレビ(JOCX)


ブロックノイズが多いソースを使用した影響もありますが、元々人が見てもロゴが判別しづらいのでS/Nが低いです。また、高輝度ではロゴが見えません。

手動で調整する場合

自動調整がどうしても上手くいかない場合は、解析結果を見て検出パラメータ(*.autoTune.param)を手動で修正する事が出来ます。

*私は上手く調整できない場合でも手動では調整せず、使用するソースを変更して再度自動調整しています。

・rawLmLvMapのデータを元にExcel・OpenOffice.org等のソフトでLm-Lvの散布図を作成します。またロゴが見えなくなる輝度をAviUtlや画像編集ソフト等で調べておきます。
・ロゴが見えなくなる輝度をprm3Aで設定します。常時表示される場合は1.01にしておきます。
・高輝度閾値以下の輝度で、ロゴ検出閾値が適切になるようにprm1A,prm2Bを設定します。
・prm1Bの値は変更しません。
・カットマージンの値が間違っている場合は修正します。理論値より-2程度の値に設定します。

*高輝度閾値を少し低め、ロゴ検出閾値の傾きを小さく設定して切片だけを変化させて調整すると楽だと思います。

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局毎の動作確認状況