2018/05/14

Define R5+Raven Ridge 2400G+B350+Ubuntu18.04LTSで新規自作した

サーバー用PCが組みたくなったのでDefine R5+Raven Ridge 2400G+B350+Ubuntu18.04LTS 64bitで新規自作してみました。
前のサーバー兼サブPCがBTOのmATXケース+Core2 Duo 2.13 GHz+ICH10R+Windows 7 32bitの骨董品だった為、ほとんど一式新規購入して約18万円でした。

以下、各部品構成と簡単なレビューです。
使用用途にも寄りますがメモリと電源とHDDが過剰スペックなので、この辺を控えめにすればだいぶ安くなると思います。


CPU:AMD Ryzen 5 2400G BOX(4C8T,3.6-3.9GHz,65W,Raven Ridge)

ずっとIntelのCPUで自作してきましたが脆弱性問題で色々あった上、10nm世代の製品も遅れているようなので初AMDにしました。
アイドル時の消費電力が低く、iGPU付きということでRaven Ridgeを選択しています。IPCもHaswell程度はあるようで、中々実用的です。
SSD一台の構成でアイドル消費電力がUPS測定にて大体21W程度でした。


マザーボード:ASUS ROG STRIX B350-F GAMING

以下の点で選択。
・映像出力端子が2系統ある(DisplayPort、HDMI)
・オンボードLANがIntel
・ASUS製
・ATXマザー
・SATAが6本
・安い

DisplayPort+HDMIとIntel LANが付いてる割りにかなり安いです。
最近のグラボはDisplayPort+HDMIの構成に移行してきているので長く使えそうです。
豪華なVRM等は無いですがTDP65WのCPUを定格運用するので問題なし。

一世代前のB350チップセットの製品の為、BIOSが古いものだとRaven Ridgeでブートできないので店頭で「AMD RYZEN DESKTOP 2000 READY」のシールがあるものを探して購入しました。
購入時点の初期BIOS(マザーにシールが貼ってあります)はVersion 3803でした。

これから組む方は恐らく発売されると思われるB450採用の後継機種で組んだほうが簡単です。

オンボード機能が十分な構成にしたので拡張カードは挿しませんが、PCI Express to PCI Bridge カード(エアリア 拡張ボードの旧世主 第二章 SD-PECPCiRi2)を挿してみてもちゃんと認識しました。
今までAMDチップセットは互換性が低い先入観があったのですが問題無さそうです。


メモリ:Corsair CMK32GX4M2A2666C16(DDR4 PC4-21300,2666MHz,16GB,2枚組)
メモリ相場が高騰しているので今大容量のメモリを買うのは得策ではないのですが、どうしても32GB必要なので購入。
8GB4枚差しより高速・安定が期待できるのでデュアルランク品ですが16GB2枚差し構成にしています。

念のためマザーボードメーカーの動作確認済リスト(QVL)に記載されているものを選択。
どうもRyzen系はメモリの相性がシビアらしいですが、SPDからロードされた2133MHz設定で起動後、Ai Tweakerで以下に設定し正常にメモリの定格プロファイル(≒XMP≒DOCP)の2666MHzで使用できました。memtestでも問題なし。(ASUS ROG STRIX B350-F GAMING BIOS Version 3803、4011)
・Ai Over Clock Tuner:D.O.C.P
・D.O.C.P:D.O.C.P DDR4-2667 16-18-18-35 1.20V
・Memory Frequency:DDR4-2666MHz


CPUクーラー:サイズ 虎徹 MarkII SCKTT-2000+付属CPUファン(KAZE FLEX)
グリス:AINEX シルバーグリス AS05

虎徹 MarkIIは2400Gの要求する冷却能力(TDP65W)に対して過剰スペックですが、安くて静かで冷えるので選択。
ヒートパイプの生え方が垂直ではなくオフセットされている為、メモリとファンが干渉しません。
昔のクーラーと比べるとリテンションはプッシュピンやネジのみ固定ではなく、予めマザーボードにネジ留めした専用マウンタにバネ付きのネジで規定のテンションを掛けて固定する構造の為、非常に組みやすかったです。
AM4はバックプレートが標準搭載で基板がたわまないのも精神衛生上良いです。

AS05は性能は良いのに中身が見えないのでグリスがどのくらい残ってるのか分かりにくいのが不満。


電源:Seasonic SSR-650PX(80 PLUS Platinum、650W)

以下の点で選択。
・Seasonic製
・80 PLUS Platinum
・ALLプラグイン電源

高いですが信頼のSeasonic製(4台目)。昔の製品より保証期間が延びて、10年間新品交換保証になっていました。
効率が上がって低発熱になったおかげか、プラグイン式な上に奥行き140mmの小型で扱いやすいです。
裏面のスイッチで低負荷時にはファンを止める準ファンレス可動もできますが、無負荷でも常にファンが回る設定にして使用しています。
コイル鳴きも今のところ無さそうで良い感じです。


ケース:Fractal Design Define R5 FD-CA-DEF-R5
フロントファン(2基):GELID Solutions Silent 14(14cm,1000rpm)
リアファン:Fractal Design Dynamic GP14(14cm,1000rpm,ケース付属)


以下の点で選択。
・フロントパネルカバー付きの静音モデル
・フロント吸気ファン2台設置可能(140mm x2)
・吸気フィルタあり(フロント+下面)
・3.5インチシャドウベイが多い(最大8)
・5インチベイあり(最大2)
・裏配線可能
・大型クーラー、大型GPU対応
・重い(部材が肉厚)
・サイドパネルが窓無し
・シンプルなデザイン

静音(フロントパネル構造+吸音板)の為に若干大振りですが、ケースの工作精度や付属品も問題なく各所が丁寧で使いやすいケースになっています。
3.5インチドライブベイにはマウント箇所に付ける専用ゴムも付いているので、防振ゴムワッシャーは買ったけど不要でした。

ケース内を正圧にして埃の進入を減らす為、フロントファンは最高回転にしています。
付属のファンは14cmファン2個ですが、吸気フィルタのある状況で静圧が必要なので付属品より厚みのあるGELID Solutions Silent 14を選択。

ケース上面の排気口と、下面の吸気口は塞ぎ(電源はケース内部から吸気するように組込)、吸気はフロント(14cm x2)、排気はリア(14cm)+電源(12cm)としていますが、非常に静音で冷却も問題ありません。

些細な問題としては、HDDマウンタの固定穴が下面4本なので、ネジ位置が異なるヘリウム系のHDDに4つネジを止めると、マウント位置が他のHDDとずれてしまいます。
フロント上部正面、上向きのオーディオ端子・USBコネクタはほとんど使用しないので黒色のマスキングテープで塞ぎました。


Western Digital WD Blue 3D NAND SATA WDS250G2B0A (250GB)

以下の点でシステムドライブ用に購入。
・3D NAND(低消費電力)
・SATAインターフェース(低消費電力)
・安い

速度が必要なデータはRAMに置くのでSSDの速度はボトルネックにならず気にしてないですが、OSを操作していても体感上問題ありません。
ほとんど発熱しませんが冷却優先の為、裏配線のスペースではなくエアフローのある3.5インチベイの余りに搭載しています。


Western Digital Red WD60EFRX (6TB x2,5400rpm)

以下の点で購入。
・低消費電力
・安い
・振動センサー付きのNAS向け

RAID1構成のデータドライブにするので2台買いました。
ハードウェアRAIDにすると復旧が面倒くさそうなのでUbuntu側でのソフトRAID構成にしています。


HGST 0S04012 (8TB,7200rpm)

これだけ以前買ったデータドライブ。
・ヘリウム封入
・速い
・大容量
・振動センサー付きのNAS向け
ですが、7200rpmで消費電力が大きいのか発熱が多めです。
骨董品チップセットのIntel ICH10Rでは大容量のせいか正常に動きませんでしたが、B350では問題ないです。


GPU:Radeon RX Vega 11 Graphics(CPU内蔵)

標準ドライバで認識し、特に問題なし。
UMA Frame Buffer Size(メインメモリからのVRAM割り当て)を2GBに設定しています。(最小は256MB)
GeForceでいうとGT 1030程度の性能があるようです。


ネットワーク:Intel I211-AT(オンボード)

信頼のIntel製のオンボードNIC。標準ドライバで認識し、特に問題なし。


OS:Ubuntu 18.04 LTS

出たばかりのCPUに1週間前にリリースされたばかりのOSを入れる人柱です。

USBからブートしてHDMI出力でインストールする際に画面の右半分が正常に表示されませんでしたが、インストール完了後はHDMI出力でもDisplayPort出力でも正常に画面が表示されました。

ログインする際にパスワードを間違えると画面が紫一色になりカーソルしか表示されずリセットするしか無くなる事がありますがRaven Ridgeの問題ではなく、Intel環境でも発生するUbuntu18.04側のバグのようです。
Bug #1770509

18.04はデスクトップ版でも最小インストールが選択できる為、不要なパッケージやサービスがインストールされない点は良いですね。


さいごに

初のAMD環境での自作ということで色々覚悟していましたが(特にメモリ)、ハード面は特に問題なく組めました。
むしろOS側(Ubuntu)のバグが所々目立つ為、Ubuntu18.04で組もうと思っている方は2018年7月26日のUbuntu18.04.1のポイントリリースを待ったほうが良さそうです。(でも組みたいときに組む)